中央区勝どきの司法書士・行政書士事務所、岡田愛香司法書士・行政書士事務所の岡田愛香です。
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法人設立手続きを得意とする弊所には、会社設立に関するご相談を多くいただきます。

会社を設立するには、定款が必要です。

では、定款とは一体、なんでしょうか?

そもそも定款って何?

定款とは、会社の根本規則を記したものです。

会社のルールブックとも言えます。
会社は、定款で定めた規則=ルールに則り運営します。

この定款の作成には、設立時の発起人全員の同意が必要です。

一度、定款で定めた内容でも、後から変更することはできます。しかし、その場合には、「特別決議」や「特殊決議」など、変更する定款の内容に合わせた株主の同意が必要になりので、注意が必要です。

定款の記載事項

では、定款にはどのようなことを書く必要があるのでしょうか。

定款の記載事項は、

1.必ず書かなければいけない「絶対的記載事項」

2.絶対に記載しなければならないわけではないが、決定したら記載しなければならない「相対的記載事項」

3.会社が自主的に定款に追加した「任意的記載事項」

があります。

以下では、この記載事項のうちの「絶対的記載事項」について解説します。

定款の絶対的記載事項

定款に必ず記載しなければならない「絶対的記載事項」は以下のとおりです。

・目的

・商号

・本店所在地

・設立に際して出資される財産の価格又はその最低額

・発起人の氏名又は名称及び住所

・ 発行可能株式総数

です。

この絶対的記載事項が定められていない定款は無効となり、会社の設立登記申請が却下されることになります。

会社の目的

会社の「目的」とは、会社がどのような事業を行うのか、事業の内容を定める部分です。

目的に記載されていない事業は行うことができませんので、将来的に、事業の展開を幅広く行いたい場合には将来を見据え、10個程度の目的を定めておくのがいいでしょう。

商号

「商号」とは会社名のことです。「株式会社〇〇」などと記載します。

この商号は、なんでも自分の好きなものがつけられるわけではなく、一定のルールがあります。

◾️「&」「’」「,」「-」「.」「・(中点)」などの記号は、商号の先頭や末尾を除いて使用可。

◾️ @や!、?、()などは使用不可。

◾️ローマ数字(ⅰ、ⅱ…)使用不可。

◾️アルファベット以外の外国語の文字使用不可

上記のようなルールがありますので、商号を決める際には注意が必要です。

さらに、商号には会社の種類を記載する必要があります。「株式会社」「合同会社」などです。

もっとも一般的で、よく知られているのは「株式会社」ですね。

株式会社の特徴は、株式の発行による資金調達ができる点が挙げられます。

ベンチャー企業が投資家から資金調達をして事業規模を大きくしていきたい場合には、株式会社を選択するのがよいでしょう。

「合同会社」は、設立費用を押さえられる点で、近年、注目されています。

また、決算公告の必要がないため、経営上の事務作業の負担も少ないと言えるかもしれません。

しかし、合同会社では株式を発行して資金調達することはできませんので、その点にも注意する必要があります。

本店の所在地

次に、本店の所在地についてです。

本店の所在地とは、具体的な本店の場所のことを言います。定款に記載する本店の所在地は、最小行政区画まで記載するケースが多いでしょう。

例えば

「当会社は、本店を東京都中央区に置く」

などと記載します。最小行政区画までの記載であれば、本店を「中央区勝どき」から「中央区銀座」に移転した場合でも、定款の変更が必要がありません。

本店を移転するための定款の変更にかかる株主総会を開催する必要が不要になります。

設立に際して出資される財産の価格又はその最低額

設立に際して出資される財産の価格又はその最低額……なんだか舌を噛みそうですね。

定款に定める「設立に際して出資される財産の価格又はその最低額」とは、会社成立後の資本金に相当する部分です。

「いくらにしなければいけないのでしょうか?」という質問も多いのですが、具体的な額について、会社法上の制限はありません。

みなさんも「資本金1円で会社を設立できる」という話を聞いたことがあるのではないでしょうか。

実際には、1円で会社を設立しても、その1円を資本にし、事業を運営するのはほぼ不可能でしょう。

また、資本金1円の会社と取引をしたいと思う企業が、果たしてるのか……という「信用」という側面から見ても、1円の資本金で会社を設立するのは現実的ではないでしょう。

自分の事業に必要な資本金から逆算して定める必要があります。

発起人の氏名又は名称及び住所

発起人とは、会社の設立に際し、「出資をし」「定款の作成をする人」のことです。

株式会社を設立する場合には、発起人は、出資した財産の価額に応じて株式を受け取り、会社の成立後は株主となる人です。このような役割を担った発起人の氏名と住所を記載する必要があります。

発行可能株式総数

発行可能株式総数とは、「会社が発行できる株式の上限」のことです。定款で定めた数を超えて株式を発行することができません。

ですから、会社の設立後に、株式を発行して資金調達を行おうと予定している場合は発行済みの株式の100倍などとすることも可能です。

もしも、そのような予定や計画がない場合には、発行済み株式の10倍程度にするのが一般的です。

株式会社の設立に、定款は必須です。

会社の設立や起業に関するご相談は、勝どきの行政書士事務所、岡田行政書士事務所まで、ぜひお気軽にお問い合わせください。