「起業したい!」と思ったとき、まず最初に思いつくのは事業計画書の作成ではないでしょうか。
でも「書き方がわからない」「何を書けばいいの?」と質問を受けることも多いです。
今回は、創業資金調達を成功させるための事業計画書の書き方のポイントを6つご紹介します。
1.事業計画書を作成する理由
そもそも、なぜ事業計画書を作るのでしょうか?
「起業するには事業計画書が必要」だからでしょうか?
事業計画書がなくても、独立も開業もできますし、事業計画書の作成は独立・開業に必須ではないはずです。それでも、多くの人が事業計画書を作成するのは理由があります。
まず第一に、イメージを書き出すことで、実現可能性を正しく検討するためです。
起業を決意した人の多くが、頭の中で事業イメージを思い描いているはずです。でも、その頭の中に描いたイメージは、漠然としているのではないでしょうか。
事業計画を実際に紙などに書き出してみると
「収益が上がるタイミングが想定していたより先になりそう」
「すでに顧客候補がいると思っていたけれど、書き出してみるとそんなに多くない。積極的な営業が必要だ!」
など、思い描いていたのとは異なる現実に直面することがあります。
このように、頭の中で漠然としていたビジネスプランを、実際に書き出してみることで、自分の計画をはっきりさせることができます。
そして、この場合の事業計画は「自分のため」に作成するものと言えます。
事業計画書を作る第二の理由としてあげられるのが、「創業融資を受けるため」です。
この、創業資金調達をするための事業計画書で求められているのは
「この事業計画はうまくいき、毎月きちんと返済してくれる」
という手堅さです。
この場合の事業計画書は、金融公庫や銀行など金融機関の決裁者に事業を理解してもらうために作成します。
このように事業計画書を作成する理由から逆算して考えると「何を書くべきか」がはっきりしてくるのではないでしょうか。
2.創業融資を受けるための事業計画書
ここからは、創業時に融資を受けるために作る事業計画書の作成ポイントを6つご紹介していきます。(日本政策金融公庫の創業計画書に沿っています)
1.どんな事業をやろうとしているの?
どんな商品やサービスを、誰に提供するのか、明確にする必要があります。創業融資を受けるための事業計画書は、わかりやすさが重要です。
どんなにすばらしい事業アイデアでも、公庫の担当者や金融機関の決裁者に理解されなければ、融資は受けられません。どのような事業の仕組みなのか、どこから収益が上がるのか、説明ができなければいけません。
2.その事業に関連する経験の有無
金融機関は「経験に基づいたビジネスのほうが成功する」という考え方をしています。これからはじめようとする事業の経験があることがわかるように記入する必要があります。
もしも、起業する事業と同じ内容の経験がないとしても、何らかの関連性がわかるように記載するのがポイントです。
3.セールスポイント
「競合先と比べてどんな強みや魅力があるのか」示す必要があります。なぜ、その事業をあなたが、わざわざやらなければいけないのかを示していきます。
他の人ではなく、あなたがやることでどういったメリットがあるのか(なぜあなたがすると収益があげられるのか)をアピールします。
4.取引先を確保しているか
販売先や仕入先、外注先などの取引先を確保しているかを書いていきます。
販売先が確保できていれば、売り上げも見込まれるでしょう。つまり、融資したお金を確実に返してもらえる証拠となります。
収益が上がるよう準備ができていることをアピールします。
5.他の借り入れ
他に借り入れがある場合は、事業計画書に記入する「予想収益」が「返済負担」(既存借り入れ+今回申し込みの融資)をまかなえる金額になっている必要があります。
「すでにある借入金」と「創業のために受けた融資」を合わせた金額を返済できるだけの収益が出る事業計画になっているでしょうか?
6.収支見込みに問題はないか
「売り上げや経費の見込みに、根拠があるか」「返済できるだけの利益が見込めるか」という融資担当者からの質問に明確に答えられる必要があります。
いくらあなたが「返済できます!」「売り上げが上がるよう必死で働きます」と宣言しても、根拠がなければ、融資を受けるのは難しいでしょう。
当たり前ですが、返すあてのない人にお金は貸せません。既存顧客の有無や売り上げの見込みは、根拠を含めて説明する必要があります。
ビジネスアイデアを漠然と思い描いていた段階と、上記のような項目を実際に書き出してみると、想定していた状態とのギャップに気づくことがあります。
事業計画書は、事業を成功させるために作るものです。創業間もないタイミングから、事業がスムーズに軌道に乗るように、しっかりと計画を立て、ぜひ楽しんで、起業の準備をしていきたいですね。